医療大麻とは?がん治療で注目される理由をわかりやすく解説

近年、医療大麻(Medical Cannabis)は、がん治療の補完治療として世界的に注目を集めています。

研究の進展により、体内の神経・免疫バランスを整える働きが明らかとなり、
「痛み」「吐き気」「食欲不振」「不眠」といったがん治療中の副作用ケアに有用であると認める国が増えています。

中でもタイは、2019年に東南アジアで初めて医療大麻治療を制度化した国で、
がん患者の生活の質(QOL)向上を目的とした治療が受けられる環境が整っています。

目次

はじめに

私たち Greeus Clinic Bangkok は、がん治療中の副作用を軽減し、QOLを高めるための医療大麻治療を軸に据えた、タイ・バンコク唯一の統合医療クリニックです。

院長は、Rangsit大学統合医療研究所の副所長であり、
大学研究チームと連携しながら、学術データに基づいた医療大麻治療を提供しています。

科学と伝統医療の双方から、がんと向き合う患者さまの治療を支えることが私たちの使命です。

医療大麻治療とは何か

タイの伝統医療クリニックの大麻オイル
当院の医療用大麻オイルは5種類の配合をご用意

当院では、医療目的で調整された医療用大麻オイル(THC/CBD)をがん治療中の症状ケアとして活用しています。

大麻草には100種類以上のカンナビノイドが含まれていますが、特に重要なのが THCCBD です。

  • THC(テトラヒドロカンナビノール):痛みの緩和、吐き気の軽減、食欲の回復
  • CBD(カンナビジオール):不安の緩和、神経の保護、炎症の抑制、睡眠の質改善

医療大麻治療の最大の特徴は、それらに同時にアプローチできる点です。

特にがん患者の方には、
抗がん剤による「吐き気」「倦怠感」「食欲不振」「不眠」などが重なりやすく、
症状横断的に改善を目指せる治療として注目されています。

カンナビノイドの働きと治療メカニズム

人間の体には「エンドカンナビノイドシステム(ECS)」という、体内の恒常性(ホメオスタシス)を保つための調整機構があります。

ECSは、以下のような幅広い領域に関わります。

  • 痛み
  • 免疫
  • 気分
  • 食欲
  • 睡眠
  • ストレス反応
  • THC は主に脳や神経系に分布するCB1受容体に作用し、痛み・吐き気・ストレス反応を和らげます。
  • CBD は免疫細胞や末梢神経に多く存在する CB2受容体に作用し、炎症・免疫反応・神経の過敏状態を鎮めます。

これらの受容体は脳だけでなく、肝臓・腸・皮膚・免疫細胞など全身に広く存在しています。
そのため、医療大麻は局所治療ではなく全身的な調整効果をもたらします。

がん患者の場合、不安・ストレス・副作用などで体や心のバランスが乱れやすく、それを整えることはQOL向上に極めて重要です。

私たちの医療大麻治療方針

Greeus Clinicでは、医療大麻治療を安全かつ効果的に行うために、
初診時の診断・病歴の共有・がん治療状況の確認を重要視しています。

初診で伺う内容例:

  • 現在のがんの進行状況
  • 抗がん剤・鎮痛剤などの服薬状況
  • 痛み・睡眠・食欲などの症状
  • 感情面の負担
  • 生活リズムやサポート状況

これらの情報をもとに、THCとCBDの最適な比率を定め、医療用大麻オイルを用いた治療プランを作成します。

タイの伝統医療クリニックはCBDやTHC量をパーソナルに調整した大麻オイルを処方

治療を開始後、「初日から眠れた」「食欲が戻った」という変化を感じる方も多く、1か月を目安に全身状態や感情面の改善を評価します。

医療大麻は、抗がん剤・放射線・ホルモン療法など従来の治療と併用が可能です。

「どちらかを選ぶ」のではなく、
併用することで治療の負担を軽減し、生活の質を底上げするという考え方を大切にしています。

当院のがん治療に対する考え方は、以下の記事です

タイで医療大麻治療が進む理由

タイは2019年、東南アジアで初めて医療大麻を合法化しました。

その背景には、古くからの伝統医療と、科学的エビデンスを融合させるという国家の方針があります。

タイでは、ハーブやマッサージ、瞑想などの自然療法が長く文化として受け継がれてきました。
これらを現代医療と統合する取り組みの一環として、医療大麻の制度化が進められたのです。

現在、Rangsit大学をはじめとする大学や研究機関が、タイ保健省と協力しながら以下のような取り組みを行っています。

  • 医療大麻の標準化と製剤化
  • 品質管理基準(GACP認証)の導入
  • 臨床研究とデータ収集体制の整備

Greeus Clinic Bangkok も、Rangsit大学統合医療研究所と協力し、臨床現場で得られるデータを研究へと還元しています。

このように、伝統・科学・臨床が連携する新しい医療モデルがタイで確立されつつあります。

がん治療における医療大麻治療の役割

医療大麻は、現段階で、直接がんを治す薬として使用することはできません。

しかし、がん治療中の苦痛を軽減し、治療に前向きに取り組める心身の状態を整える治療として高い評価を得ています。

以下は、症状別の治療効果です

症状成分期待される効果
吐き気・食欲不振THC抗吐気作用・食欲促進
痛みTHC+CBD鎮痛・鎮静
不安・不眠CBD神経安定・睡眠改善
炎症・倦怠感CBD抗炎症・疲労軽減

医療大麻治療の目的は、
痛みを抑えるだけでなく、不安を和らげ、眠れる体をつくり、食事をとれる状態に戻すこと。

これにより、
「治療を続ける力」を取り戻すサポートになります。

治療中は身体だけでなく、心が疲れてしまう患者さんも多いんです。
医療大麻は、痛みを取るだけでなく心の緊張をゆるめる医療だと思っています。

詳しくは以下の記事で紹介します

学術と臨床がつながる場所から

医療大麻は、がん患者にとって「最後の手段」ではなく、痛みを和らげながら、生きる力を取り戻すための医療です。

私たちGreeus Clinicバンコクは、ランシット大学統合医療研究所と共に、医療大麻の可能性を科学的・実践的に探求しています。

日々の臨床の中では、予想を超える回復を見せる患者様もいらっしゃいます。

肺がん治療中、当院の治療を受けて奇跡的な変化を遂げた加門さん

肺がんを患っていた50代男性。
来院時は激しい痛みで歩行困難、睡眠もほとんど取れない状態でした。

医療大麻治療を開始したその日、「久しぶりにぐっすり眠れた」と実感。

さらに、タイ滞在中の1週間で、5分しか歩けなかった状態から 2km歩けるまでに改善

帰国後、腫瘍マーカー数値も改善し、日本の主治医も驚いたケースです。
※効果には個人差があります。

患者さまのご体験談は、こちらの記事をご覧ください

この方のケースは、ランシット大学の研究チームと連携して行われている症例データ分析の一部として記録されています。

研究と臨床がつながることで、一つひとつの体験が次の治療に生かされていく。
それこそが、Greeus Clinicが大切にしている医療の形です。

よくある質問(Q&A)

医療大麻は誰でも受けられますか?

医師の診察が必要です。がんの進行度や服薬状況を確認した上で、使用が適切かどうか判断します。

どのくらいで効果を感じますか?

多くの患者様は、5日ほどで睡眠や食欲の改善を実感されています。

がん治療の副作用に対して、どのような効果が期待できますか?

THCには痛みの緩和や吐き気の軽減、食欲の回復を助ける作用が、CBDには不安の緩和、睡眠の質の改善、神経や炎症の負担をやわらげる作用が期待されています。
これらを組み合わせることで、治療を続けるための体力や気力を支えるサポートとして役立てられています。

副作用はありますか?

一時的な眠気や倦怠感が出る場合がありますが、用量を調整することでコントロール可能です。

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