この記事でわかること
- 統合医療が「怪しく見えてしまう」本当の理由
- それでも近代医学の延長線上で語れる理論的背景
- 不調を「治す前に整理する」という現実的な意味
統合医療とは
「統合医療」と聞いて、どこか胡散臭さを感じる。
- 科学的なのか分からない
- 本当に意味があるのか疑問
もしあなたがそう感じているなら、それは極めて自然で、誠実な感覚です。
日本の医療は長く、
- 病名をつけ
- 原因を特定し
- 薬や手術で治す
という、非常に完成度の高い体系を築いてきました。
その枠組みの中で、「統合医療」という言葉が
曖昧で、境界のぼやけたものに見えるのは無理もありません。
「異常なし」と言われた不調に向き合うために

ではなぜ、統合医療は完全には否定されず、
世界中で議論され続けているのでしょうか。
理由は一つです。
近代医学だけでは説明しきれない不調が、確実に存在するからです。
- 検査では異常なし
- 病名はつかない
- でも確実に生活はつらい
不眠、慢性疲労、慢性疼痛、原因不明の体調不良。
これらは決して珍しい状態ではありませんが、
単一の原因・単一の治療で整理できないという共通点があります。
Greeus Clinic を訪れる方の多くは、すでに複数の医療機関を受診しています。
それでも、不調は確かに続いている。
私たちは、検査での異常がなくても、心身のどこかしらに問題があると考えています。
検査で捉えられるのは、身体の一部・一時点の情報にすぎません。
慢性的な不調の多くは、
- 自律神経の固定化
- 回復力の低下
- 緊張と不安の慢性化
といった、数値に出にくい“状態の問題”として現れます。
人の健康は「相互作用」でできている
近年の医学では、人の健康は次の要素が相互に影響し合うシステムとして理解されています。
- 自律神経
- 内分泌(ホルモン)
- 免疫
- 睡眠
- 心理的ストレス
- 行動パターン
これは Engel が1977年に Science 誌で提唱した
Biopsychosocial Model(生物・心理・社会モデル)以降、慢性疾患研究の中で支持されてきたものです。
さらにこのモデルは、2000年代以降のレビュー研究でも
慢性疾患・機能性症状を理解する上で依然として有効な枠組みであることが確認されています。
(論文:Annals of Family Medicine(2004))
例えば、
- ストレス → 自律神経の乱れ
- 自律神経 → 睡眠の質低下
- 睡眠不足 → 炎症・痛み
- 痛み → 不安
- 不安 → さらに眠れない
という悪循環。
この構造そのものは、論文レベルでも否定されていません。
統合医療は、この「複数の要因が絡み合う前提」を
臨床で扱おうとする考え方です。
「エビデンスが弱い」の正体
統合医療が批判される最大の理由は、「ランダム化比較試験(RCT)が少ない」ことです。
これは事実です。
ただし、理由があります。
- 生活・心理・行動を含むため標準化が難しい
- 単一介入ではなく、組み合わせが前提
- 個人差が大きい
つまり、研究に向いていない構造を持っている。
一方で、慢性疼痛や不眠のレビュー研究では、
生活調整・心理介入・身体介入を組み合わせた方が改善度が高いとする報告も存在します。
これは「完璧に証明された治療」ではないが、
現実の人間に近いアプローチとも言えます。
Greeus Clinic がこの立場を取る理由

Greeus Clinic では、
Rangsit Universityに所属する医師が診察を行います。
研究知見は参考にしますが、研究結果をそのまま当てはめることはしません。
- 年齢
- 生活背景
- これまでの治療経過
- 本人の価値観
これらを踏まえ、最終的な判断は常に患者さんの状態を基準に行います。
不調が長引くと、人は「もう仕方がない」と思いがちです。
しかし、一人ひとりに合った治療法が必ずあるはずです。
- 状態を分解する
- 負担を言語化する
- 回復を妨げている要因を見つける
ことで、人生の流れが少しずつ変わり始める方を私たちは数多く見てきました。
治す前に、整理する。
それが、Greeus Clinic の統合医療です。
まとめ
- 統合医療とは、人間に近いアプローチ
- 検査で異常がなくても、不調は確かに存在する
- 治療の前に「状態」を整理することが重要
本記事は、Greeus Clinic Bangkok の医師による監修のもと作成しています。
一般的な情報提供を目的としたものであり、
個別の診断や治療を代替するものではありません。
症状や治療については、必ず医師にご相談ください。
