タイでは医療大麻が認められ、さまざまな症状の治療に取り入れられるようになってきました。
患者様からよくいただくご質問のひとつが、「オイルでの摂取と乾燥大麻での摂取、どちらが良いのか」という点です。
それぞれに特長があり、症状や生活スタイルに応じた選び方が大切です。
乾燥大麻の特長

医療として、合法的に乾燥大麻の喫煙も可能ですが、燃焼による有害物質の影響を避けるため、医療ではヴェポライザー・または医療大麻オイルの使用が推奨されます。
吸入では摂取したTHCのうち10〜35%がそのまま血中に届くと言われています。
例えばTHC 10mgを吸った場合、実際には1〜3mgほどが即座に働き、だからこそ体感としては「ピークが強い」印象になります。
メリット
- 効果が数分で現れるため、急な痛みや吐き気に即効性がある
- 吸入量をその場で調整できるため、症状や体調に合わせやすい
- テルペンやマイナーカンナビノイドを含み、フルスペクトラム効果を得やすい
乾燥大麻のデメリット
- 作用の持続は2〜4時間と短め
- 喫煙ではタールや一酸化炭素により呼吸器症状(咳・痰・気道炎症)のリスクが高まるため推奨されない
- 品種や摂取方法による効果にばらつきが出やすく、医師の指導下での用量調整が必要
つまり、乾燥大麻は「すぐに効果を得たいとき」や「体感を細かく調整したいとき」に適していますが、長時間の症状コントロールには不向きです。
医療大麻オイルの特長

オイルは、医療大麻の利用方法の中でもっとも一般的で、医師による管理がしやすい形態です。
舌下で使うと15〜45分で効き始め、経口(飲み込み)では60〜120分と遅めですが、効果は4〜8時間(場合により12時間)続きます。
一度に感じる強さは乾燥大麻ほどではありませんが、代謝の過程で11-OH-THCという代謝産物が生じ、これが強い鎮静効果を持つこともあります。
数字で表すと、THC 10mgを摂取した場合、血中に届くのは0.5〜1mg程度。
「ピークが穏やかで酩酊感を感じづらく、体全体にじんわり効いてくれる」といった、そんな感想をいただくことが多いです。
医療大麻オイルのメリット
- 成分比率(THC・CBD)が調整されており、効果が安定している
- 舌下投与は粘膜から比較的速やかに吸収され、経口投与では消化管・肝臓を経由するため内臓症状にも作用が及ぶ
- 作用時間が長く(4〜8時間、場合により12時間)、慢性的な痛みや睡眠障害の管理に向いている
- 医師の管理下で用量を調整できるため、安心して使用できる
医療大麻オイルのデメリット
- 効果が現れるまで15分〜120分と時間に幅がある
- 代謝や食事の影響で効き方に個人差がある
- 製剤工程が必要なため、乾燥大麻に比べて価格が高くなる傾向がある
このように、オイルは「長時間の安定した効果」を求める方に向いていますが、即効性を重視する場合には不向きなこともあります。
当院での取り組み
当院では、まず医師が診察を行い、患者様の症状に合わせてTHCとCBDの比率を調整したオイルを処方しています。
さらに、診断書を発行することでVapeMania®︎にて医療用乾燥大麻の購入も可能です。
そのため、
・日常的な症状管理には「オイル」
・急な症状への対応には「乾燥大麻」
といった使い分けも可能です。
また、初回は低用量から始めて少しずつ増やす「Start low, go slow」の原則に従い、安全に効果を確認していきます。
当院のご紹介
「Greeus Clinic(グリースクリニック)」は、バンコクに拠点を持ち、タイ伝統医療と医療大麻を組み合わせた診療を行っています。
- 医師による丁寧な診察と診断書の発行
- 日本語対応スタッフによる安心のサポート
- ランシット大学の研究所と連携した専門的な体制
- 店頭またはオンラインでの診察に対応
初めての方でも安心してご相談いただけます。

まとめ
・オイルは「安定性」「長時間作用」「医師管理下での安心感」に優れている
・乾燥大麻は「即効性」「調整のしやすさ」「フルスペクトラム効果」が特長
当院では、この両方を組み合わせることもでき、患者様一人ひとりに合った治療をサポートしています。
ご相談やご予約は、公式LINEまたは店頭にてお気軽にお問い合わせください。

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